“南部”とは?

『南部の人』の作品が生まれるバックグラウンド、 ‘南部’って一体どんなとこ?

南部のあれやこれを、ほんの少し、ご紹介します。

 

「南部の位置」

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青森県東南部と岩手県北部、太平洋側の一帯に位置する、江戸時代に南部氏の所領だった地域を「南部」と呼びます。

自治体名では青森県八戸市・三沢市・三戸郡・上北郡や、岩手県岩手郡・閉伊郡・二戸郡・九戸郡など。

現在ではいくつかの市町村に分かれていますが、古くからひとつの地域として独特の文化を育んできました。

 

「南部の自然」

南部地方は東に太平洋、西に奥羽山脈を壁としたような形で南北に広がっています。

そのため夏は太平洋から「やませ」と呼ばれる風が吹いて涼しく、

冬は奥羽山脈が冷たい空気を阻み、雪が少なく晴れた日が多いのが特徴です。

海岸線は起伏に富んだリアス式海岸。海の生き物や渡り鳥が暮らしやすい環境で、また種差海岸や北山崎などの多くの景勝地を有しています。

 

「南部の言葉」

南部地方では独自の方言「南部弁」が使われています。

歌うような、緩やかなイントネーションが特徴。

「東北弁」というと思い浮かぶ「濁点をたくさんつけて、短い単語で早口で話す」イメージを持って聞くと、驚くかもしれません。

「です」「ます」にあたる敬語表現がたくさんあり、言葉の終わり方がやさしい印象です。

 

「南部の気質」

南部弁の響きのように温和で真面目、恥ずかしがりでおっとりした人が多いと言われています。

有名人では芥川賞作家の三浦哲郎や、演劇界の革命児・寺山修二が南部出身。

内省的で、独自の世界観を確立している芸術家や職人が多く育つ土地なのかもしれません。

 

「南部の名物」

夏に海から冷たい風が吹く南部地方は稲作に向かず、そば粉や小麦粉を中心とした「粉もの料理」が発展してきました。

B-1グランプリ受賞で一躍有名となった「せんべい汁」も、こうした料理のひとつです。

また、寒い冬に家族の衣類を少しでも暖かくしてあげたいという想いが、裂き織りや菱刺しなどのさまざまな伝統工芸を生みました。

現在の名物は、先人の知恵と工夫が生み出したとも言えます。

そして、‘南部の人’が生み出す作品たちも、そんな歴史に新たな1ページを加えるかもしれません。